仕手株とファンド株、分足チャートに現れる違いとは
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仕手筋とファンド筋では、株の買い上がり方が違う。
デイトレをしていると、大口トレーダーが買い上がるタイミングにも、色々あることに気づくはず。
たとえば、あっと言う間に株価が急騰し、何割も騰がったかと思うと、突然物凄い売りが降ってきて、あっと言う間に株価が下がったりするパターン。
一方、1時間おきくらいに大きな買いが入って株価が上がり、大引けにはかなり高騰するようなこともある。
つまり、ドカーンと買い上がったあと、さらにドンドン買い上がっていくのか、それとも買い上がってからしばらく様子を見てから買い上がっていくのか。
前者は仕手筋っぽい買い上がり方、後者はファンドっぽい買い上がり方だ。
仕手筋とファンド株の買い上がり方の違い
仕手筋っぽい買い上がり方は、飛び乗ると危険で、急騰した後、急落するリスクが大きい。
いわゆる「イナゴタワー」という形で、ビューっと上がっては、ドスンと下がってくる。
そのため、急騰に飛びつくと、あっと言う間に含み損になって、損切りしないといけなくなることが多い。
仕手株は、とにかく高値に株価を吊り上げる。
株価を吊り上げた後、カラ売りを仕掛けて往復で利益を取ろうとする。
どこまで行っても株価は需給で決まるので、株を買い上げた連中が売りに回ると、高値を維持できずに急落するのだ。
一方、ファンドっぽい買い上がり方は、押し目を狙いやすい上がり方で、乗ってもあまり損するリスクが少ない。
これは、株を買い上がっている主体と、株を売ってる主体が、別のグループだからだ。
仕手筋は、自分で株価を吊り上げて、株価が上がったらカラ売りを仕掛けて株価を下げる。
一方、ファンド筋は、ハッキリした思惑や材料があって、目標株価を決めて株を買い上がる。
そのため、株価位置が低いときは、株を売ってくれる人がいる方が有り難くて、株価が下がるのをノンビリ待っている。
図解 ファンド筋の買い上がり方の例
ファンドが株を買い上げるときは、計画的に株を買い上がっていく。
目標の株数を集めるまで無理に上値を追わず、売りが出るのをのんびり待っている。
そのため、ドンドン高値追いをするのではなく、一定の冷却期間を挟んで買い上がる。
その結果、五分足チャートは、次のような感じになる。
ファンド株っぽい値動き 五分足チャートの例
この銘柄の場合、寄りつきはわずかに5円高からスタートで、そこからドーンと20円くらい買い上がっている。
そしてそのあと小一時間、買わずに様子見する。
こういう風に、ドーンと買いを入れて急騰させて、銘柄を目立たせることを「提灯を付ける」という。
提灯を付ける理由は、銘柄を目立たせて注目を集めることと、売りを出させてそれを拾うためだ。
実際、寄りつきで株価が急騰させると値上がり率ランキングに載って目立つため、目ざといデイトレーダー達が集まってくる。
そして数円から十数円くらいの利幅を取って、去って行く。
既存のホルダーたちも、「噴いたら売り」とばかりに、含み益が出来た持ち株を売り出してくる。
ここで終われば、単なる仕手株のイナゴタワーだ。
しかしファンド筋は売りが枯れてくると、また買い上がってくる。
チャートに下ヒゲがたくさん出ているのは、売りが出たらそれを拾う買いがあるからだね。
ファンドは、目標株価をあらかじめ決めているので、そこまで下値を支えつつ、買い上がっていく。
こういう場合、数日間は株価が上がるので、デイトレでも利益が狙いやすい。
もちろん、デイトレでなく、持ち越しても良いワケだが。