JNXを使って、デイトレの収益を改善する方法。
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JNXを使って、デイトレの収益を改善する方法がある。
中期トレードや長期トレードでは、1円の違いは大した違いにはならない。
しかしデイトレでは、1円の差で、大きく損益が変わってくることがある。
特に勢いで上値を買ってしまうと、気が変わって売却する場合、必ず1円以上安く売らなければならなくなる。
たとえば90円の株を1,000株買ったけれど、他の銘柄が上がりだしたので、そっちに乗り換えたい!と言うような場合、確実に1,000円以上のコストを払わねばならなくなる。
そして株価がさらに1円下がっていたら、2,000円のコストを払って乗り換えねばならなくなる。
これは零細トレーダーにとって、非常に厳しい。
と言うのも、そうして乗り換えた銘柄が、思ったほど騰がらず薄利しか獲れなかったとしたら、乗り換えたときに支払ったコストのせいで、収支がマイナスになってしまうから。
売買する株数が多ければ多いほど、この乗換コストが大きくなるわけだが、JNXを使って売買すれば、このロスを小さくすることが出来る。
JNXとSODとは?
JNXとは、ジャパンネクスト証券が展開するPTS市場だ。
PTSとは、Proprietary Trading Systemの略称で、日本語にすると「独自取引システム」といった意味だ。
簡単に言うと東証を通さずに上場株を売買する仕組みで、SBI証券や楽天証券などでは、PTSでの売買も出来るようになっている。
特に夜間に株を売買したい場合は、東証が閉じているので、PTSで売買することになる(現物株のみ)。
このPTS、東証のザラ場中でも使うことが出来て、楽天証券では、売買する市場を東証以外にもチャイエックスとJNXが選べるようになっている(2022/09/12現在)。
また楽天証券では、スマートオーダーシステム(SOD)を利用して売買する場合、より有利な取引で約定するようになっている。
たとえば次の実現損益を見ると、チャイエックスで約定しているため、100株なのに30円プラスとか180円マイナスとかで約定しているね。
スマートオーダーシステムでの約定例
※JNXやチャイエックスでの注文は、刻み値が0.1円単位なので、こういう十円単位の端数が出る。
JNXで売買注文を出す
たとえば、次のような板情報があったとする。現在値は90円だが、90円買いと89円売りが交錯している。
騰がると思って買うわけだから、上値の90円で買ってもよいが、できたら89円で買いたい。
ただ89円で買い差し注文を入れたら、4万株あまりの買い注文の最後になってしまい、買える前に株価が上がり出すかも知れない。
では90円で買い付ければ良いかというと、買ったあとに株価が88円に下がった場合、損切りしようと思ったら2円×株数分の損失になる。
デイトレは1日の内に売買を1往復するので、エントリー価格が損益に大きく関わってくるので、この1円の差は大きいし、売買する株数が多ければ多いほど、1円の差はでかくなる。
そこで、JNXのPTS取引を使って、東証を迂回して買い注文を出す。
楽天証券の場合、チャイエックス(Chi-X)とJNXの両方で注文を出すことが出来るが、チャイエックスでは板が表示されないこと多いので、JNXで0.1円きざみで買い注文を出す。
JNXでの買い注文例
JNXの板情報では、89円より上では3,000株の買い注文しかないので、買える確率が高い。
JNX市場で買い注文を出しても、売りが来ないのでは?という疑問もあるだろう。
しかし楽天証券などでは、スマートオーダー注文(SOD)というのがあって、東証とPTS市場(JNXやチャイエックス)での注文状況から、より有利な取引で約定するようになっているから、楽天証券経由で89円で株を売ってきた人は、先にJNXの買いで約定する。
買いたい側としては、90円で買うべきところを、89.1円で買えるわけだから、100株当たり900円の節約になる。
逆に売りたい場合も、売りたい値段の0.1円下で売り注文を出せば良い。
JNXを使った売り注文の例
これは、通常の板情報では230円のところが分厚くて、順番がなかなか回って来なさそうなときに出すと良い。
こういう風に、JNXを使えば、1円必要なところを0.1円で済ますことが出来る。
もちろんこんなことが必要なのは、閑散銘柄だとか、売買が閑散化して落ち着いている場合だけどね。
買える範囲に急騰株があれば、それに乗っかったほうが儲けやすいし。