イナゴタワーが建った銘柄は、要監視
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イナゴタワーが建った後、一回押し目を作ってから買いが入ると、激アツになることが多い。
イナゴタワーとは、突然買いが入って急騰し、買いが萎んで急落してできる5分足チャートだ。
一例を挙げると、こんな感じになる。
イナゴタワーの5分足チャートの例
この銘柄の場合、10時台まではマイナス圏でウロウロしていて閑散化していた。
ところが11時になると突然買いが入って、急騰している。
190円前後くらいから、210円を超えるところまで、20円の急騰。
率にすると、およそ10%もの急上昇だ。
しかし残念ながら5分後には売りが殺到して、急騰するよりも下がってしまうという有様。
こういうのがつまり、イナゴタワーってヤツやね。
イナゴタワーはなぜできる?
イナゴタワーが建つ銘柄は、普段から売買が閑散化していることが多い。
板情報を見ても、売り注文も買い注文も少なく、一流企業の板情報みたいに十万株単位の注文がギュウギュウ詰めに並んでいるわけではない。
なので、ちょっと大きな買いが入ると、株価はビュンと上がったりする。
5万株も買い上がれば、20円くらいスッと上がったりする。
そして株価がビュンと上がると、値上がり率ランキングに載ったり、その銘柄を監視リストに入れているデイトレーダーの目にとまって、打診買いされる。
「これは何か材料が出たかも!」と思ったトレーダーが打診買いして、上値を追うのだ。
ところが株価がビュンと上がっても、買い板がすぐに厚くなるわけではない。
材料がハッキリしている場合は、すぐに買い板が並ぶこともあるが、不明なときは逆に売り注文がドッと出てくる。
というのも、急騰銘柄を狙っているカラ売り師達も集まってくるからだ。
そのため、買いが止まると、株価はストンと落ちてしまう。
そうしてそのあとは、ダラダラと損切りの売りが続いて、切り返さない。
こうしてできるのが、イナゴタワーと呼ばれるモノだ。
イナゴタワーだけで終わらないときは、大チャンス!
イナゴタワーが建つときは、数万株もの買い上がりがある時だ。
売り板がスカスカの場合は、数万株の買いで10%も上がったりする。
しかしいくら低位株で売り板がスカスカだと言っても、200円の株を5万株買えば、1,000万円の買い物になる。
10万株なら2,000万円だし、300円の株なら3,000万円の買い注文だ。
なのにそのあと株価が急落するわけだから、買い上がった人は、丸損だ。
ではなぜ、そんな大金を掛けて買い上がっているのか。
実は近い将来に、何か思惑があって彼らは買い上がっているのだ。
なので数日後にまた買い上がりがあったりして、上ヒゲがドンドン並び出したりする。
数日後どころか、1-2時間後にまた買いが入る場合もある。
例えばこんな感じだ。
イナゴタワーが建った1時間後に、再び買いが入る5分足チャート
このケースの場合は、前場の11時に突然買いが入り、後場に入るとまた買いが入り始めた。
こういう場合は実は「激アツモード」で、ちゃんと「言葉に出来る好材料」があることが多い。
たとえばまもなく発表される決算発表が良いとか、政策で発表されることの関連銘柄だとか。
そして「言葉に出来る好材料」は、インターネットの掲示板で繰り返し書き込まれたりするので、二回目の買い上がりはしっかりした買い上がりになる。
つまり11時過ぎのイナゴタワーは、注目を集める「提灯(ちょうちん)」で、昼休みの間に材料を周知させて、買いを集めるという仕手筋の作戦だったわけだね。
提灯を付けて上がった5分足チャートの例
なのでそのあとは、ジワジワ買いが入って高値引け。
そして翌日も買いが入って、引け後に決算発表が出た。
イナゴタワーから2日連続で大幅上昇の5分足チャートの例
こういう風なこともよくあるから、イナゴタワーにイナゴが集まってくるわけやね。
まあ本当に材料があるのか、その材料がすぐに出るのか、それとも数日後なのか、数週間後なのか、その辺は全然分からないんだけどね。
まあとにかく、一度でも買いが入った銘柄は、注目して監視リストに入れておくべきだね。