デイトレに使える移動平均線とは?
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デイトレや、ザラ場中に貼り付いて売買する場合、5分足チャートは非常に重要なツールになる。
五分足チャートと、歩み値を見て、大口さんが買いに入っているかどうか確かめてみる
ところがこれはロウソク足に限った話で、移動平均線となると、殆ど役立たない。
というのも証券会社の売買ツールのチャートのデフォルトの設定は、「5・25・75」になっていることが多いからだ。
この5・25・75移動平均線は、デイトレには殆ど役に立たない。
というのも、この数字には殆ど意味が無いからだ。
たとえば日足チャートだと、
- 5本線は、直近の一週間の平均
- 25本線は、一ヶ月強の平均
- 75日線は、4ヶ月弱の平均
ということになる。
これはこれで、それなりに意味がある数字だと言えよう。
一方、5分足チャートでは、
- 5本線は、直近25分の平均
- 25本線は、直近の125分(およそ2時間)の平均
- 75本線だと、直近の375分(およそ6時間)の平均
だ。
このデフォルトの設定では、分足チャートの移動平均線は、こんな感じになる。
デフォルト設定の分足チャートの例(1)
この日のこの銘柄は、前日とあまり変わらないところからスタートしているので、まだマシだ。
しかし、この移動平均線では売買するのは無理だ。
というのも、移動平均線と言えば、ゴールデンクロスやデッドクロスだが、このチャートでは赤い短期線(5本)と緑色の中期線(25本)は、2回しかクロスしていない。
売買に使えそうなのは、赤い短期線をローソク足が横切るポイントくらいで、言ってみれば「1本足と5本線のクロス」だけで判断せざるを得ないことになる。
デフォルト設定の分足チャートの例(2)
これも、移動平均線が役に立たない例だ。
移動平均線で売買するには、平均線の向きも重要だ。
買いに入るなら、移動平均線は短期線が右肩上がり、中期線がフラットかやや右肩上がりでないと危ない。
そもそもデフォルト設定の長期線(75本線)は、ほとんど前日の株価の平均だ。
なので一日のうち、一度も他の移動平均線と交わらない場合も多い。
この設定は、あくまでも日足チャートで売買するヒトのための設定だろう。
デイトレは、一日一日が新しいスタートになるので、その日だけの株価の平均が欲しいのだが。
そこで、デイトレの売買ポイントが分かりやすくなるように、移動平均線の設定を色々変えてみた。
移動平均線の設定を3本8本21本に変更してみる
その結果、使えるなと思ったのが、3本・8本・21本の組み合わせだ。
これは「黄金比」を作る数列の「フィボナッチ数列」(1,1,2,3,5,8,13,21,34,55、…)からピックアップした数値だ。
フィボナッチ数を利用した移動平均線の例(1)
フィボナッチ数を利用した移動平均線の例(2)
これを見ると、デフォルトの設定時と比べて、はるかに移動平均線がたくさんクロスしていることが分かるだろう。
デイトレをするには、こういう風に移動平均線も使える設定に変える必要があるわけだ。