ネット仕手筋がデイトレ株に提灯をつける
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仕手筋(してすじ)とは、株価を不正につり上げて、高値になったところで売り抜けるグループだ。
仕手筋と言っても、資金規模はいろいろで、巨大な資金を世界で動かすグループ、いわゆる「投機筋(とうきすじ)」というのもあるし、個人投資家を集めて投資指南をするミクロな仕手グループというのもある。
仕手筋の手口というのは、近々なにか良いニュースが出て、注目されそうな企業の株・銘柄を安値で買い集めたあと、少しずつその情報を広めて株価を上げていく。
そうして個人投資家や、株式新聞などの媒体にアピールし、その企業からIR(アイアール:投資家向け情報)が出そうになったら、一気に買い注文を出して株価をつり上げて注目を集める。
こういう風に、買い集めた株を一気に買い増して、目立たせることを「提灯をつける」(ちょうちんをつける)と言うが、デイトレーダー達は、急騰株を目を皿のようにして探しているから、こういう風に株価がつり上げられて提灯がつくと、「何だろナこの株?一応買っとくか」と買い付ける。
そうしてさらに買いが集まって株価が急騰したら、仕手筋は少しずつ株を処分し利益を確定して、頂点に達したと思ったら、手持ちの株を全部売って儲けるわけだ。
こういう仕手筋・仕手グループというのは、昔からあるわけだが、最近はネット仕手筋というのが現れるようになった。
ネット仕手筋というのは、インターネットを使う仕手グループで、低位株が急騰するようなときには、ネット仕手筋が絡んでいるという
ネット仕手株は、買うべきか敬遠すべきか。
ネット仕手筋とは、インターネットを使った仕手グループである。
ネット仕手筋が、どういうグループなのかは、なかなか見分けることが難しい。
なにせネット上で情報交換され、日本のあちこちから買い仕掛けられ、株価が操作されてしまうわけだから。
昔ながらの小さな仕手筋がネットで動いていたり、相場師が指南する投資グループが買い付けてたり、大学の投資サークルのようなところがネット仕手筋らしい。
というのもこういうグループが、相場操縦(そうばそうじゅう)の疑いでたまに家宅捜索を受けていたりするからね。
で、これらのネットの仕手筋が狙うのは、時価総額が100億円前後の小さな企業で、普段はあまり取引が為されていないような銘柄が多い。
そういう銘柄が、ある日突然急騰して、値上がり率ランキングに名前を連ねて提灯がつく。
デイトレーダー達は値上がり率ランキングを見て、チャンスがありそうだと思ったら即座に買い付けるので、そこで提灯がついた格好になるわけだ。
で、問題は、こういう提灯のついた銘柄を、買い付けて良いのかどうかと言う話だ。
こういう銘柄は、ストップ高になる可能性もあるし、逆にすぐに値を消してしまうことも多々あるから、高値づかみして損することだけは避けたい。
こういうパターンは、寄りつきだけ10%以上上げて、あとはダラダラ下がるパターンも多いので、上がっている材料が何か調べてから、買いに入っても十分に間に合う場合も多い。
まあでも、そこで買いそびれたあと、ストップ高になったりすると、もの凄く悔しいので、ちょっとだけ買い付けるというのが正解かもしれないが。